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2009年1月12日 (月)

05 闇夜の悲鳴

日記専用お題 「05 闇夜の悲鳴」

傷口が傷むときがある。それは決って夜に訪れる。傷つけられたのがいつも夜だったせいもあって、これが昼間だったらどんなに楽だっただろうか?と考える事もよくある。いくら痛いと嘆いたところで、俺の悲鳴は誰にも届かない。俺の悲鳴は声にならないからだ。

大きな穴に頭を突っ込んで、ありったけの力を振り絞って叫ぶ。そうすればストレスは取れるだろう。でも悲しみだけは取れるものではない。どんなに時間が過ぎても、人の心には風化しない領域がある。いつまでもその景色は変わらず、止まった当時のままで色褪せる事もない。そんな場所があるから人は生きられると言う。それは漠然とした「過去の思い出」であって、人は何かに迷い、傷付いたときに過去を振り返ることが多いからだ。

しかしその思い出と言う名の過去でさえ

真っ黒だったらどうだろうな。

悲しみはまだ終らない。自分が生きる限り延々と続く。己を破滅に導く思想も、止まる事がない。例え過去の惨劇から立ち直ったとしても、「過去」と言う映像は決して消えない。

何故自分は生きる?

どうして自分が存在する?

自分が居なくなったらどうなるのだろう?

自分が死んで悲しむ人がいるだろうか?

自分は本当に必要とされているのだろうか?

あまりにも漠然とした不安と恐怖は、移り行く時間の中においてその殺傷能力を高めて行く。疑問が浮かべば浮かぶほどに、本当の自分は遠ざかる。そして遠ざかれば遠ざかるほど、その事実を認めたくなくて「過去」を思い出す。何もないと分かっていながら。

大事なものを失ったあの日

俺は自分が何のために自分と言う存在を生きているのか分からなくなった。

それは大切だった人と別れることよりもずっと過酷な事で

今までの道程すら見失いそうになった。

道の両脇に置かれた蝋燭の火が突然消えてしまうような虚無感。

そして己の力の無さを呪う、圧倒的な劣等感。

真っ暗になった道の先で待っていたのは

不敵な笑みを浮かべた過去の自分。

だからそんな弱き自分を打ち砕こうと

目の前に居たもう一人の自分をこの手に掛ける。

砕かれた感触の中にあったのは

「殺った」と言う喜びではなく

「どうして・・」と言う絶望だった。

あれからしばらくの時間が経って

また新たに絶望が生まれた。

俺は絶望している自分に絶望したんだ。

何故絶望しなければならない?

どうしてここで止まってなければならない?

絶望する意味を、今度は見失った。

見失う事が多かったのは、自分が弱かったからに他ならない。絶望に支配されたのも、自分が自分を確立できなかったから。全ての行為は全ての自分の行い。例えそれが無意識だったとしても、外に現れた現象は自分が望んだ現象。だからこそ人は叫びながらも、今と言う時間を生きなければならない。

だけど時折ふと不安が押し寄せる。

そして思う

「また何か失うかもしれない」と。

でも今は分かっている。

「失えばまた何か始まるさ」って事を。

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